イベントレポート 10/16 「謡〜其の三十七〜」


ライブレポート『謡(うたげ)其の三十七』
10月16日(月)19〜22時半
喫茶SMILE@渋谷



 茶をしばくか
 酒をのむかタバコをのむか
 それだけで笑みがこぼれる
 まるで、そんな幸福の生き物


つめたい雨の中、渋谷センター街を通って神南小学校の方へ坂を上がってゆく。
こじゃれた裏路地の中腹にある喫茶SMILE。
そこで毎月第3月曜日に開催されるのがかずちゃん主催の『謡(うたげ)』。
今回で37回目を迎える。
かずちゃんによれば、始めは弾き語り中心のイベントだったものが次第にジャンルレスになっていったとのこと。
その辺りは前回のブログ記事に詳しいので、ぜひご覧ください。

そして今回はオープンマイク開催と、詩人のみのブッキングという新しい試みがされています。
長いイベントだからこそ、マンネリ化せずに新しいことをやってみること。
それってとても大切なことだな、とかずちゃんのライブ前のお話を聞きながら、そんなことを考えていました。

   *

今回のゲストは以下の3組。

遠藤ヒツジ
死紺亭柳竹
大島健夫with内藤重人

前半を遠藤ヒツジと死紺亭柳竹。
歓談の時間や、オープンマイク枠を挟んで、大島健夫with内藤重人へ。
オープンマイク枠を含めて、ご紹介してゆきます。
(作品名に表記が違う点がありましたら、ご容赦ください)


・遠藤ヒツジ


まあ、筆者のことなのですが、自分のレポートって、あまりやりませんよねw
 今回のブログレポートの写真を死紺亭さんにお任せして(たくさん連写されました)、いざパフォーマンスへ。
 普段はオープンマイクがメインで、ブッキングによるゲストライブは初めてでした。
 なのでもちろん、緊張しきり。
 セットリストも当日ギリギリまで「あーでもない、こーでもない」と頭をぐるぐるさせてましたが、今回はこんな感じのセトリになりました。

 1.そぞろ
 2.テテが触れる
 3.しとねるシーツ
 3.庭の中の異類婚姻
 4.あふれる太陽
 5.オオオミアシノ、カンパネルラ

 普段、詩だけでなく小説も書くので、掌編小説も含めて朗読してみました。
 30分のライブは初めてで、自分で必死に読んでるうちに時間が過ぎ去った感じがします。
 最初は30分程度の短編小説をまるまる朗読することも考えていたのですが。
 トップバッターにはふさわしくないかなと今回は控えました。
 また研鑽を重ねて次回につなげます!


・死紺亭柳竹

 
つづいては死紺亭柳竹さん。
 大島健夫さんとともに日本スポークンワーズ協会の中心を担うパフォーマー。
 死紺亭さんはお決まりの前口上、そして時事ネタを巧みに取り込んだスポークンワーズで会場内を笑いと歓声に包みます。
 時事ネタでも死紺亭さんの作品は古びないで懐かしさとともに新しさも感じさせます。
 それってきっと時代を超えて共有される感情が作品に含まれているからでしょう。
 死紺亭さんのジョーク・グルーヴはまさしく日本語ラップ!

 セットリストを見て、みんな観に来れなかったことを悔しがれ。
 1.リアルシット
 2.いつかギラギラする日
 3.お花に罪はない
 4.あらかじめ失われたビートのために
 5.ジョーク・グルーヴ——ポエトリーリーディングこんなもんだ
 6.スーパーラッキーストライク
 7.ジョーク・グルーヴ——死紺亭の東京っていい街だな


・オープンマイク
 1.藤鈴呼


 一番手は藤鈴呼さん。
 久しぶりに東京のオープンマイクイベントに参加とのことで、雨の中来てくださいました。
 平易で聴き手に伝わりやすい言葉と温度を持ち寄った朗読。素敵でした。
 「こちら天国株式会社」「敵と味方」「こぶし」を読んでいただきました。

 2.筒渕剛史


筒渕さんは先日のUPJ5で谷川俊太郎さんの朗読「なんでもおまんこ」を引用した自作「蜜」を朗読。
 深くまで響くような声がセクシャルで、蜜のあふれるイメージが湧きでてくるようでした。

 3.上條美由紀
 
過去の自分から年齢を重ねていくごとに変化していく練られた構成の詩「10月16日夜7時50分」を朗読。
 とくに人間の年齢なんてどんどん突き抜けてしまう感性が面白く、上條さんならではの詩世界を堪能しました。

 4.そにっくなーす
 
自身の詩集からケルアックに触発された「オン・ザ・ロード 生鮮の聖戦」を朗読。
 彼女の伸びがある多種多様な声に詩が次々と彩られてゆく様が圧巻です。

 5.かずちゃん
 
なんと主催のかずちゃんもパフォーマンス。
 さねよしいさ子さんの歌詞「子供の十字軍」を朗読。
 ハレルヤ!と繰り返される言葉が印象的でした。
 いま振り返ると、トリの大島さんの詩にもつながってくるような気がいたします。


・大島健夫with内藤重人

ラストは大島さん「夢を見たことがない」の朗読に内藤さんが伴奏が一層詩の世界を深める。
 30分1本の緊張のステージ。
 日本と隔てられた千葉民主共和国で繰り広げられる主人公の一生を、声と音楽で紡ぎ出す。
 長いストーリーを聴かせるための配慮があり、文章の配分も場面転換のタイミングもバランスがいい作品でした。
 筆者はこの朗読を聴きながら思わず泣いてしまいまして。
 千葉民主共和国、その空想の国で起きた出来事が現実に地続きになってるように思えて涙がこぼれました。
 内藤重人さんの会場内の一人一人の感情をブーストさせる伴奏。
 その音に巻かれるようにして、大島さんの朗読に聴きいっていました。

   *

さてさて、無事終演。
かずちゃんは今までのブッキングライブを継続しながら、時折オープンマイクを交えたイベントにしていこうと話しておりました。
これからも楽しみですね。
次回は定例でゆくなら、11月20日です。
ぜひ続報をお待ちくださいね。

以上、つたないレポートではありますが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
レポート担当は遠藤ヒツジでした。